【プラントエンジニアリング業界:図解で3分解説】どんな仕事をやる?向いている学生や今後の動向を紹介

作成日:
2022-01-13
カテゴリー:
秘書,職種研究

はじめに

皆様はプラントエンジニアリングという仕事をご存知でしょうか?

プラントも聞いたことがあるし、エンジニアリングも聞いたことはあるけど、具体的なビジネスモデルや企業名をパッと思い浮かべるのは難しいかもしれません。

プラントエンジニアリングは世界のエネルギーインフラと将来のエネルギーソリューションに欠かせない重要な分野です。

日本のみならず世界に向けてエネルギーや資源を供給する先進的で効率的な技術を設計・構築することを主な業務としています。

私達が何気なく使っている電気やガスもプラントエンジニアリングあってのもの。

エネルギーという人類とは切っても切れない分野について、業界の特徴と向いている人材も併せてご紹介していきます。

業界研究をする前に

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この記事に目を通していただいている方は当然、業界研究をしようと考えて訪問していただいたことでしょう。

プラントエンジニアリング業界について研究を進めるにあたって、まずは何のために業界研究をするのか目的をはっきりとさせましょう。

業界研究は情報を集めることが目的ではありません。

自分の性格や長所に合っているか知るために行うものです。

世の中には何千、何万という企業があり、それぞれの専門や強みも千差万別です。

その中でも「人気企業だから」とか「有名な大企業だから」という理由だけで企業を選んでしまうと自分に合うか合わないかではなく、「人からどう見られるか」という世間体に意識が向いてしまい、自身の本音に蓋をしたまま面接を受けることにもなりかねません。

なんとなくのイメージで入社してしまってから仕事内容が合わないことに気づくと、自分も企業もお互いに損をしてしまいます。

そんなことにならないためにも、この記事を読みながら、プラントエンジニアリング業界について理解を深めつつ「本当に自分に合う業界・仕事なのか」を常に考えながら読んでみてください。

ちなみに業界研究を始めたばかりの人や、やり方がよく分からないという人はこちらの記事も合わせて読んでみてくださいね。

業界研究,やり方

業界研究の目的とやり方を正しく理解した上で、プラントエンジニアリング業界のお話を進めていきましょう。

プラントエンジニアリング業界とは

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プラントエンジニアリングとは簡単に言うと、石油や化学製品を生産するプラント専門のゼネコンです。

ゼネコンとは建物や施設の設計から完成までの工程を請け負い、管理する会社のことです。

プラント建設の上流から携わり、材料の発注や業者の選定、スケジュールなど細かな部分も管理します。

とはいえプラントエンジニアリングといきなり言われても聞き慣れない方も多いかと思いますので、基礎知識をご紹介していきます。

そもそもプラントって何?

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プラントとは大規模な工場設備のことを指しますが、この業界では「原料やエネルギー」を生産する大規模な施設と思っていただければ大丈夫です。

石油や液化天然ガス、水、またはプラスチックなどの化学製品など私達の周りにあるものの原料を作っています。

どんな分野があるの?

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プラントエンジニアリング業界は主に3つの分野があります。

中心となるのはプラントエンジニアリング専業企業ですが、水処理やリサイクルを得意とするプラントもあります。

プラントエンジニアリング専業

主に石油、電力、液化天然ガスなどのエネルギー系が中心の大手企業が多く、プラントエンジニアに特化しており、売上高も上位をほぼ独占しています。

水処理プラント

上下水処理、水処理薬品などを中心としたプラントです。

排水や汚水を処理し、水質を改善するための設備を設計しています。

日本の上下水道インフラは高い水準で運用されているため、海外へ進出する機会も今後増えると言われています。

環境・リサイクルプラント

ゴミ焼却設備、廃プラスチックリサイクルなどに注力。

廃棄物を処理し、再利用資源として回収したり、ゴミを償却する際の熱を利用して発電したりする設備を設計しています。省エネや公害を防止するという観点から海外、特に発展途上国からの注目度が高まりを見せています

上記の通り売上の中心となるのはエネルギー系のプラントエンジニアリング専業企業ですが、今後は水資源の確保やリサイクル発電、環境負荷低減を目的としたプラントの発展などにより水処理プラント、環境・リサイクルプラントも海外への進出が期待されています。

プラントエンジニアリング業界のビジネスモデル

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プラントエンジニアリング業界のビジネスモデルは上図のとおりです。

主な顧客は石油会社や化学メーカー、国家など誰もが知る大きな組織が相手となります。

従って巨大プラントの建設に関わるとなれば一国の経済、社会に影響を及ぼすプロジェクトとなることもあり、世界へのインパクトは相当に高いものとなります。

またプラントは規模によっては数千億円かかることもあります。そのためどのようなプラントを建設するかという打ち合わせは綿密なものとなり、国の政府機関と交渉する機会も少なくはありません。

度重なる交渉を経て、プラント建設が決まったらスケジュールを設定したり、必要な材料や機械などを協力会社に発注したりしながら業務を進めていきます。

プラントエンジニアリングの業務

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プラントエンジニアリングの主な業務としては以下の4つがあります。

基本設計

まずは基本となるプロジェクトの仕様書を作成します。ここで配管の図面や必要な装置、機械のデータを作成していきます。

詳細設計

基本設計を元に機械類などの具体的な仕様書を作成していきます。ここでは材料の集計や、製作図、施行図の細かいチェックを行い、調達へ向けての準備を進めていきます。

機材調達

設計ができあがったら、必要機材の見積もりを作成し、機材メーカーに発注します。ここでは機材の納期を管理したり、購入品の検査、輸送についても具体的に打ち合わせしたりしていきます。

建設工事

機材が揃ったら工事計画を策定し、仮設工事を始めていきます。

現場の検査や試運転もここで行い、問題があれば結果の分析と対策を立案していきます。

以上のようにエネルギー・化学製品・製鉄・水処理などの生産設備の建設を請け負って、資材の調達、業者の手配、スケジューリング、予算管理などを行うのがプラントエンジニアリングです。

プラントエンジニアリング売上高ランキング

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出所:各社有価証券報告書元にシューブン作成

プラントエンジニアリングの売上高、シェアは上図の通りです。

御三家の一つであった東洋エンジニアリングを抜き去り、水処理プラントの最大手である栗田工業が3位に浮上しました。

水ビジネスに特化し、堅実に売上を上げてきたというのが主な理由です。

後述しますが、プラントエンジニアリング業界は景気や、世界情勢の影響を受けやすい業界で売上が上下しやすいと言えます。

とはいえ日揮HDは業界最大手でシェアは全体の5分の1を占めていますし、赤字も出していないので、今後も1位を順当にキープしていけるというのが業界の予想です。

プラントエンジニアリング業界の現状と今後の動向

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業界研究をする上でビジネスモデルも重要ですが、その業界の将来性も無視はできません。

プラントエンジニアリング業界が将来も生き残っていけるのか解説していきます。

現状

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出所:経済産業省資料を元にシューブン作成

図に示したようにここ10年間のプラント事態の受注高はほぼ横ばいとなっています。電力プラントが一番高く、ついで化学プラントが続きます。

しかし、プラントの建設を請け負う以上、原油価格や世界情勢に影響されるのは言うまでもありません。

特にこのコロナ禍の影響を受け、全体としてのプラント受注高は減少傾向にあります。

このようにプラントエンジニアリング業界はリーマンショックのような世界経済の停滞により需要が減り、減収・赤字といった事態もままある業界です。

またコロナ以外にも世界の流れとして脱化石燃料が今後の課題として挙げられます。

近年ではShellなどのオイルメジャー企業が新規案件を抑える傾向にあり、ガソリン車から電気自動車への代替え、バイオマスなどの化石燃料に頼らない発電方法など、20世紀の石油を代表としたプラントは今後再生可能エネルギーなどへの転換を余儀なくされるでしょう。

大手御三家であった東洋エンジニアリング社も2017年にハリケーンの被害を受け、巨額の赤字となったこともあり、自然災害の影響も受けやすい浮き沈みの激しい業界であることは間違いありません。

また中国や韓国のコストの安いプラントエンジニアリング企業の参入も念頭に置いておく必要があります。

今後の動向

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これからは化石燃料や頼ったプラントは減少していくことが予想されます。

次の2点がプラントエンジニアリング業界の成長のポイントとなるでしょう。

水ビジネスへの参入

人類が利用できる淡水源は地球上の0.01%しかありません。

その他は海水や氷山あるいは地下水など、すぐには使えないものばかりです。

そのため世界の水ビジネスの市場規模は拡大傾向にあり、2025年には87兆円になるとも言われています。

限られた水資源をどのように活用していくかは世界規模での課題となっており、水処理プラントが今後発展していく要素の一つと考えられています。

海外事業への進出

プラント事業自体は日本国内での需要はそこまで高くはなく、ごみ処理施設や薬品製造工場などに限定されていますので、今後の市場は海外が中心となります。

アジア地域の経済発展に伴い電力需要が増えるため、しばらくは液化天然ガス(LNG)やシェールガスなどの需要は続くと見られています。

また日本のプラントエンジニアリングは高く評価されており、オイルメジャーからの受注も継続して受けることができると考えられています。

プラントエンジニアリング業界の主な職種

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プラントエンジニアリング業界にはどんな職種があるのでしょうか。

代表的な3つの職種を紹介します。

エンジニアリング

プラントエンジニアリングの中心業務ともいえる職種です。

プロセスから配管や機械の調達、計装制御、IT、解析などを担当し、それぞれ専門の部署があります。

出身学部は化学、材料、建築、電気などの理系が中心です。

プロジェクトマネジメント

プロジェクト全体の統括を担当します。採算を確保できるようコスト戦略を立案したり、決められた納期までのフェーズ管理やコントロールをしたりするスケジュール管理を行います。

全体を見ながらの判断を下す責任の重い業務となりますが、様々な交渉を重ねた上での成功は達成感あふれる仕事と言えるでしょう。

こちらは理系のみならず、文系の出身者も応募可能な職種です。

営業

理系の雰囲気たっぷりのプラントエンジニアリング業界ですが、営業職は文系出身社も多く応募しています。

一つのプロジェクトが数千億円になることもあり、場合よっては相手国政府関係者との関係構築を任せられることもあります。

ここまで大きな規模の取引ができる営業はなかなかお目にかかれません。

プラントエンジニアリング業界に向いている学生

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最後にプラントエンジニアリング業界に向いている学生の特徴について紹介していきます。

プラントエンジニアリングは入念なプロジェクトを一つ一つ精査しながら、コストやスケジュールを管理したり、細かな調整をしたりすることが必要な業界です。

従って、

  • 計画に従って物事を確実に進められる
  • 優先順位を明確にして取り組める
  • チームを率いることができる

以上のような長所を持つ方は活躍できることでしょう。

またプロジェクトを受注する上で、海外企業、国家とのやり取りが不可欠ですので、おのずと海外で仕事をする機会も増えます。従って英語が得意な方もチャレンジしやすい業界と言えます。

今まで解説してきた点を踏まえ、

  • 海外で働いてみたい
  • 大きなプロジェクトに関わりたい
  • 人類の将来に関わる仕事がしたい

と考えている人はぜひプラントエンジニアリング業界を候補に入れてみてください。 責任は多く伴いますが、限られた地球の資源をどう活用していくかという壮大な仕事に大変なやりがいを感じられることができるでしょう。

まとめ

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以上プラントエンジニアリング業界についてご紹介してきました。

聞き慣れない業界だったとは思いますが、エネルギーや原料といった身近なものに密接に関わっており、規模の大きな業界であることがご理解いただけたのではないでしょうか。

また日本のみならず世界のインフラ、人類の未来に繋がる仕事が今後中心となってくるエキサイティングな業界でもあり、経済や情勢の影響を受けやすい業界でもあります。

緻密な計画を立てるのが得意な方、英語が得意な方、海外での仕事に興味がある方はそれぞれの会社のHPをじっくりと調べながら、自身の性格や興味に沿っているか調べてみましょう。

最後にまだ自己分析に不安がある人は以下の記事もぜひ読んで見てくださいね。

【就活における自己分析の目的とは】なぜ就活の1番始めに自己分析をするべきのか?始める時期や自己分析のメリットまで解説!

ステップハウス, StepHouse

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